発掘大特集 その2
2007年5月13日・はうとぅーぷれい
目指すべき勝利のプランは発掘を繰り返して巨大化した《トロール》や《スヴォグトース》に《裏切り者の手中/Traitor’s Clutch(TSP)》をつけて殴り倒すというシンプルなもの。まぁそれだけではとてもじゃないけど勝てないのでその他にもサポートカードが多数存在する。
もう少し細分化すると、
〜序盤〜
まずは初手を入念にチェック。
このデッキは途中から全くといっていいほどドローしなくなるので初手は非常に重要。
特に《天使型》に入っている《ズアー》は墓地から掘り返したりできないので、発掘エンジンが回り始めたら初手から持っているか最初の1、2ターンのドローで持っていない限りまず手に入らない。『張れば勝てる』という状況が結構あるので、相手のデッキをよく把握した上でマリガン選択をしよう。また、緑マナは絶対に確保すべき。《ローム》が撃てなくなることはこのデッキでは致命的である。マリガンを恐れてはいけない。ダブルマリガンくらいなら恐れずガンガン行くべし。可能性は低いが、《森/Forest》、《緑探し/Greenseeker(TSP)》、《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll(RAV)》の3枚の初手でも無理矢理回すことができるのだ。
最初の数ターンは《バッパラ》、《緑探し/Greenseeker(TSP)》によるマナサポートや、《メイガス》などの生物で手札を整理しつつ発掘カードを墓地に送り込んでいく。《狂乱病のもつれ/Delirium Skeins(DIS)》なら相手の後続を絶つことも出来るので一石二鳥。相手の攻勢に対しては《インプ》などでうまくさばいていく。ガンガン掘り進むべし。
〜中盤〜
発掘を続けていると土地が止まる（ドローしないので）ので、頃合を見て《ローム》を発掘して墓地に落ちた土地を確保する。このとき最終的にフィニッシャーとなる《スヴォグトース》などは優先的に回収。5〜6マナに到達したら《トロール》や《スヴォグトース》で攻撃をしていく。おそらく結構なサイズになっているはずだ。もしもあまり生物が落ちておらず、《トロール》のサイズが物足りないなら、自身の再生能力を複数回起動して「自爆」し、再び発掘するのも手だ。
墓地に落ちていくカードはしっかりと把握することが大事である。《手中》が落ちているのなら相手のライフを削りきることを考えよう。《メイガス》をドローエンジンにしていた場合、手札はもう空のはず。1ターンに1回しか呪文を打てないケースが多いので、発掘するカードの選択を誤らないように。コントロールデッキが相手なら《ローム》で土地を大量に回収できれば後半使えるマナが増えるので有利だ。
〜終盤〜
この辺りになると《トロール》の一撃で相手を葬れるくらいになるだろう。しかし終盤までもつれ込んだときの一番の懸念はライブラリーアウトである。《天使型》ならなおさら、ここまで来たならライフは相当上昇しているはずだからダメージによる敗北はまず無いだろう。《トロール》を発掘し続けているとどんどんライブラリーが減っていくので、除去が多い相手や、チャンプブロック要因が充実している相手にはあまり悠長にしていると敗北が待っている。《《闘技場/Arena(TSB)》はブロッカーを排除してくれるナイスなカードだ。無駄な発掘は絶対に出来ないので慎重に発掘を行うべし。場合によっては通常のドローを行う選択肢があることも忘れないように。《強迫的な研究/Compulsive Research(RAV)》を使用しているデッキにも要注意だ。
余談だが、デッキを61枚にしておくと、1ターンライブラリーアウトが遅くなる可能性が出てくるので、デッキ構築の際は気をつけてみると良いかも。その1ターンで勝てるビジョンも見えてくるのだ。
・サイドのススメ
メインボードの動かし方がわかってきたところで、更に重要なサイドボードについても書いていこうと思う。しかし、このサイドボードがかなり難しい。墓地を使うデッキの特性上、墓地対策をされると厳しい勝負になる。さらに準コンボデックであるため、下手にちょこちょことキーとなるパーツを抜いてサイドをすることはできない。思い切ったオフェンシブサイドも念頭に入れてサイドを組むべし。
3《幽霊街/Ghost Quarter(DIS)》
3《古えの遺恨/Ancient Grudge(TSP)》
1《闘技場/Arena(TSB)》
1《暗黒破/Darkblast(RAV)》
1《悪夢の虚空/Nightmare Void(RAV)》
1《墓掘り甲のスカラベ/Grave-Shell Scarab(RAV)》
1《ヘルドーザー》
2《悲哀の化身/Avatar of Woe(TSB)》
2《ゴルガリの凶漢/Golgari Thug(RAV)》
↑こちらは「通常型」のサイドボード
そして、
4《悲哀の化身/Avatar of Woe(TSB)》
3《ゴルガリの茶鱗/Golgari Brownscale(RAV)》
1《ロクソドンの戦鎚》
1《トーモッドの墓所》
1《ズアーの運命支配/Zur’s Weirding(9ED)》
1《悪夢の虚空/Nightmare Void(RAV)》
1《墓掘り甲のスカラベ/Grave-Shell Scarab(RAV)》
1《幽霊街/Ghost Quarter(DIS)》
2《暗黒破/Darkblast(RAV)》
↑こちらは「天使型」のサイドボード
前者はメインボードにとっていなかった《幽霊街/Ghost Quarter(DIS)》を大量に放り込み、また、トロンやフレア系などの《印鑑》を使用したデッキに対しての回答として《古えの遺恨/Ancient Grudge(TSP)》を投入している。
一方後者はビートダウンデッキに対して有効な《ゴルガリの茶鱗/Golgari Brownscale(RAV)》を採用。更にはメインに1枚だけさされている《アカデミーの廃墟/Academy Ruins(TSP)》が、サイドからは《戦鎚》や《墓所》を掘り起こす。《戦鎚》はこのデッキでは致命的となる《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire(GPT)》に対抗できる貴重なカードだ。しかも《吸血鬼》を使用しているデッキは基本的にアーティファクトに触れない場合が多いので効果的である。《墓所》も、苦手とする《ドラルヌ》パーミッションに効くだろう。
両者のサイドボードに共通しているのが追加の《暗黒破/Darkblast(RAV)》や《悪夢の虚空/Nightmare Void(RAV)》。そして《悲哀の化身/Avatar of Woe(TSB)》、《スカラベ》である。
《暗黒破/Darkblast(RAV)》は当然生物が多いデッキ対策。GP京都の時点ではまだボロスデッキの使用者が多かったため非常に効果的だったが、グルールにはサイズの大きい生物が揃っているので少々効きにくい。それでもプロジェクトXまでメタると抜けないカードなので何枚かスロットは割くべきだろう。
《悪夢の虚空/Nightmare Void(RAV)》はフレアやトリコロールのような動きがそんなに激しくないコントロールには効果的だ。相性の悪いパーミッションにも希望が見出せるカードの一つである。
《スカラベ》は基本的にパーミッション相手に入れるカードだと思っている。特にドラルヌパーミッションならサイドから《根絶》が入ってくる可能性が高い。勝ち手段を抜かれる可能性があるので、追加の勝ち手段となりうる存在だ。また、発掘コストが軽いので、いくらカウンターされてもそこまで痛くない。《トロール》だと発掘コストがかなり多いので、カウンターされ続けてライブラリーアウトしてしまう可能性も出てくる。そういう意味でいぶし銀の活躍を見せる生物だと思う。マナ拘束がきついのであまり好まない人もいるとは思うが。
さて、《悲哀の化身/Avatar of Woe(TSB)》だ。
発掘デッキなのだから、墓地に生物を10体貯めることは難しくないし、基本的に生物デッキに対してサイドインするだろうから、相手の墓地まで数えるならすぐに召喚できそうだ。しかし、発掘を繰り返す以上、初手に持っていなければライブラリーから墓地に逝ってしまう。《ゴルガリの凶漢/Golgari Thug(RAV)》や《戦慄の復活》のサポートがあったほうが出しやすいだろう。天使型の場合、《根の壁/Wall of Roots(TSB)》や《急使》が入っていないので、《戦慄の復活》のFBがしづらい。そのため4枚スロットが割かれているのだろう。
非常に強力ではあるのだが、運用には注意が必要なカードだ。出ればほぼ勝てるだろうが・・・
この他にも、色々なサイド候補があるだろう。たとえば、このデッキは出されただけで負けがほぼ確定してしまうエンチャントがかなり多い（《制圧の輝き》、《物語の円》、《テフェリーの濠》、《虚空の力線》・・・）どれもそこまで頻繁に見られるエンチャントではないのだが、どうしても怖いならエンチャント破壊を用意しておくことも考えておこう。《天啓の光》があれば話は早いのだが。
さらに、何度も言うが墓地対策には非常に弱い。《根絶》一枚ならまだ可愛い方である。《トーモッドの墓所》は出所が全く読めないため、置かれない、または引かれないことをひたすら祈ろう。《石覆い》も地味に嫌な存在だ。
その3へ続く
目指すべき勝利のプランは発掘を繰り返して巨大化した《トロール》や《スヴォグトース》に《裏切り者の手中/Traitor’s Clutch(TSP)》をつけて殴り倒すというシンプルなもの。まぁそれだけではとてもじゃないけど勝てないのでその他にもサポートカードが多数存在する。
もう少し細分化すると、
〜序盤〜
まずは初手を入念にチェック。
このデッキは途中から全くといっていいほどドローしなくなるので初手は非常に重要。
特に《天使型》に入っている《ズアー》は墓地から掘り返したりできないので、発掘エンジンが回り始めたら初手から持っているか最初の1、2ターンのドローで持っていない限りまず手に入らない。『張れば勝てる』という状況が結構あるので、相手のデッキをよく把握した上でマリガン選択をしよう。また、緑マナは絶対に確保すべき。《ローム》が撃てなくなることはこのデッキでは致命的である。マリガンを恐れてはいけない。ダブルマリガンくらいなら恐れずガンガン行くべし。可能性は低いが、《森/Forest》、《緑探し/Greenseeker(TSP)》、《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll(RAV)》の3枚の初手でも無理矢理回すことができるのだ。
最初の数ターンは《バッパラ》、《緑探し/Greenseeker(TSP)》によるマナサポートや、《メイガス》などの生物で手札を整理しつつ発掘カードを墓地に送り込んでいく。《狂乱病のもつれ/Delirium Skeins(DIS)》なら相手の後続を絶つことも出来るので一石二鳥。相手の攻勢に対しては《インプ》などでうまくさばいていく。ガンガン掘り進むべし。
〜中盤〜
発掘を続けていると土地が止まる（ドローしないので）ので、頃合を見て《ローム》を発掘して墓地に落ちた土地を確保する。このとき最終的にフィニッシャーとなる《スヴォグトース》などは優先的に回収。5〜6マナに到達したら《トロール》や《スヴォグトース》で攻撃をしていく。おそらく結構なサイズになっているはずだ。もしもあまり生物が落ちておらず、《トロール》のサイズが物足りないなら、自身の再生能力を複数回起動して「自爆」し、再び発掘するのも手だ。
墓地に落ちていくカードはしっかりと把握することが大事である。《手中》が落ちているのなら相手のライフを削りきることを考えよう。《メイガス》をドローエンジンにしていた場合、手札はもう空のはず。1ターンに1回しか呪文を打てないケースが多いので、発掘するカードの選択を誤らないように。コントロールデッキが相手なら《ローム》で土地を大量に回収できれば後半使えるマナが増えるので有利だ。
〜終盤〜
この辺りになると《トロール》の一撃で相手を葬れるくらいになるだろう。しかし終盤までもつれ込んだときの一番の懸念はライブラリーアウトである。《天使型》ならなおさら、ここまで来たならライフは相当上昇しているはずだからダメージによる敗北はまず無いだろう。《トロール》を発掘し続けているとどんどんライブラリーが減っていくので、除去が多い相手や、チャンプブロック要因が充実している相手にはあまり悠長にしていると敗北が待っている。《《闘技場/Arena(TSB)》はブロッカーを排除してくれるナイスなカードだ。無駄な発掘は絶対に出来ないので慎重に発掘を行うべし。場合によっては通常のドローを行う選択肢があることも忘れないように。《強迫的な研究/Compulsive Research(RAV)》を使用しているデッキにも要注意だ。
余談だが、デッキを61枚にしておくと、1ターンライブラリーアウトが遅くなる可能性が出てくるので、デッキ構築の際は気をつけてみると良いかも。その1ターンで勝てるビジョンも見えてくるのだ。
・サイドのススメ
メインボードの動かし方がわかってきたところで、更に重要なサイドボードについても書いていこうと思う。しかし、このサイドボードがかなり難しい。墓地を使うデッキの特性上、墓地対策をされると厳しい勝負になる。さらに準コンボデックであるため、下手にちょこちょことキーとなるパーツを抜いてサイドをすることはできない。思い切ったオフェンシブサイドも念頭に入れてサイドを組むべし。
3《幽霊街/Ghost Quarter(DIS)》
3《古えの遺恨/Ancient Grudge(TSP)》
1《闘技場/Arena(TSB)》
1《暗黒破/Darkblast(RAV)》
1《悪夢の虚空/Nightmare Void(RAV)》
1《墓掘り甲のスカラベ/Grave-Shell Scarab(RAV)》
1《ヘルドーザー》
2《悲哀の化身/Avatar of Woe(TSB)》
2《ゴルガリの凶漢/Golgari Thug(RAV)》
↑こちらは「通常型」のサイドボード
そして、
4《悲哀の化身/Avatar of Woe(TSB)》
3《ゴルガリの茶鱗/Golgari Brownscale(RAV)》
1《ロクソドンの戦鎚》
1《トーモッドの墓所》
1《ズアーの運命支配/Zur’s Weirding(9ED)》
1《悪夢の虚空/Nightmare Void(RAV)》
1《墓掘り甲のスカラベ/Grave-Shell Scarab(RAV)》
1《幽霊街/Ghost Quarter(DIS)》
2《暗黒破/Darkblast(RAV)》
↑こちらは「天使型」のサイドボード
前者はメインボードにとっていなかった《幽霊街/Ghost Quarter(DIS)》を大量に放り込み、また、トロンやフレア系などの《印鑑》を使用したデッキに対しての回答として《古えの遺恨/Ancient Grudge(TSP)》を投入している。
一方後者はビートダウンデッキに対して有効な《ゴルガリの茶鱗/Golgari Brownscale(RAV)》を採用。更にはメインに1枚だけさされている《アカデミーの廃墟/Academy Ruins(TSP)》が、サイドからは《戦鎚》や《墓所》を掘り起こす。《戦鎚》はこのデッキでは致命的となる《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire(GPT)》に対抗できる貴重なカードだ。しかも《吸血鬼》を使用しているデッキは基本的にアーティファクトに触れない場合が多いので効果的である。《墓所》も、苦手とする《ドラルヌ》パーミッションに効くだろう。
両者のサイドボードに共通しているのが追加の《暗黒破/Darkblast(RAV)》や《悪夢の虚空/Nightmare Void(RAV)》。そして《悲哀の化身/Avatar of Woe(TSB)》、《スカラベ》である。
《暗黒破/Darkblast(RAV)》は当然生物が多いデッキ対策。GP京都の時点ではまだボロスデッキの使用者が多かったため非常に効果的だったが、グルールにはサイズの大きい生物が揃っているので少々効きにくい。それでもプロジェクトXまでメタると抜けないカードなので何枚かスロットは割くべきだろう。
《悪夢の虚空/Nightmare Void(RAV)》はフレアやトリコロールのような動きがそんなに激しくないコントロールには効果的だ。相性の悪いパーミッションにも希望が見出せるカードの一つである。
《スカラベ》は基本的にパーミッション相手に入れるカードだと思っている。特にドラルヌパーミッションならサイドから《根絶》が入ってくる可能性が高い。勝ち手段を抜かれる可能性があるので、追加の勝ち手段となりうる存在だ。また、発掘コストが軽いので、いくらカウンターされてもそこまで痛くない。《トロール》だと発掘コストがかなり多いので、カウンターされ続けてライブラリーアウトしてしまう可能性も出てくる。そういう意味でいぶし銀の活躍を見せる生物だと思う。マナ拘束がきついのであまり好まない人もいるとは思うが。
さて、《悲哀の化身/Avatar of Woe(TSB)》だ。
発掘デッキなのだから、墓地に生物を10体貯めることは難しくないし、基本的に生物デッキに対してサイドインするだろうから、相手の墓地まで数えるならすぐに召喚できそうだ。しかし、発掘を繰り返す以上、初手に持っていなければライブラリーから墓地に逝ってしまう。《ゴルガリの凶漢/Golgari Thug(RAV)》や《戦慄の復活》のサポートがあったほうが出しやすいだろう。天使型の場合、《根の壁/Wall of Roots(TSB)》や《急使》が入っていないので、《戦慄の復活》のFBがしづらい。そのため4枚スロットが割かれているのだろう。
非常に強力ではあるのだが、運用には注意が必要なカードだ。出ればほぼ勝てるだろうが・・・
この他にも、色々なサイド候補があるだろう。たとえば、このデッキは出されただけで負けがほぼ確定してしまうエンチャントがかなり多い（《制圧の輝き》、《物語の円》、《テフェリーの濠》、《虚空の力線》・・・）どれもそこまで頻繁に見られるエンチャントではないのだが、どうしても怖いならエンチャント破壊を用意しておくことも考えておこう。《天啓の光》があれば話は早いのだが。
さらに、何度も言うが墓地対策には非常に弱い。《根絶》一枚ならまだ可愛い方である。《トーモッドの墓所》は出所が全く読めないため、置かれない、または引かれないことをひたすら祈ろう。《石覆い》も地味に嫌な存在だ。
その3へ続く
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